Ⅰ.
「はいど・あんど・しーく」×「雨垂れ石を穿つ 萩乃露」特別純米 十水仕込
◇福井弥平商店「雨垂れ石を穿つ 萩乃露」特別純米 十水仕込
GARDEN ~ 窓枠は何を隔てていたのか
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色なら緑 葉の緑 羽根の緑 蕗の緑
花の白さと雲の白さを隔てる緑は
その"所有"を離れた瞬間
雲散のように空に広がる
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江戸時代中期、寛延年間(1748~51)に創業。信条の一つに「うつろいを楽しむ」ということを掲げ、季節限定や数量限定のお酒を多く醸している。
『雨垂れ石を穿つ』は江戸時代に確立し行われていた十水仕込という手法で造られており、現代の手法に比べ水が少なく濃厚なのにキレもある。「江戸時代の人たちはこんなにもうまい酒を飲んでいたのか!」この感嘆符「!」を「雨垂れ」と呼ぶため、この驚きをラベルや名称にも託している。
スウィーティーやグレープフルーツのような爽やかなジューシーさが優しく香り、味わいは甘味酸味苦味のバランスが秀逸。最初に甘味を感じたと思ったら柔らかな苦味がふわふわさわさわ雲散のように広がり最後にしっとり炊きたて新米のような旨味が舌に染み入る。まさに「!」
そんな酸味や苦味のさわさわ感と枝葉や羽根のさわさわ感、しっとりとした甘味や旨味は花の白、雲散のような広がりとキレに人の手からあるいは木の枝から飛び立つ緑の鳥を重ねました。
Ⅱ.
「いのち〜光」×「杉姫 鳴城乃誉」純米吟醸
◇山城屋酒造「杉姫 鳴城乃誉」純米吟醸
GARDEN ~ 水が流れる
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水が流れる
なにものも包含し
なにものも
存在を抱かれ浮遊する
なにものも持たず
なにものも
水面という手のひらには在ることなく
まるで初めから
その手の上に何も乗っていなかったように
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1894年(明治27年)創業。1975年(昭和50年)仕込み水の水質悪化で自社醸造の中断を余儀なくされ、ほかの酒造への委託製造に切り替えるが、2014年(平成26年)、山口県周南市の酒造の協力のもと、先々代が造っていた「鴻城乃誉」を復活させる。
山口大神宮の清廉な伏流水と化学肥料不使用の山口県阿東産山田錦で醸した『鴻城乃誉』。清流のような水辺の鈴蘭のような仄かな香りと、レモン水や杏水みたいな軽い甘酸っぱさ。舌の上に何も乗らなかったかのように、少し宙を浮いたまま流れていって後にふくよかな風味がほんのり残る。水辺の持つ清廉さと包容力のイメージを、その軽やかながらもしっかりした香りと風味に、重ねました。
Ⅲ.
「いのち〜陰」×「鶴の友」純米酒
◇樋木酒造「鶴の友」純米酒
GARDEN ~ 昼の光を夜が讃える
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夜が昼を喰み
喰み
死が生を喰み
生が死を喰み
月の光にも陽の光にも礼賛されず
生を祈り死を悼むように咲くは花
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1832年(天保3年)創業。醸造される全ての日本酒が「鶴の友」の銘柄で販売されている新潟の樋木酒造は、まさに“地酒”の定義そのままを貫く蔵元。小さい蔵ながら地元で愛され造られた酒のほとんどが蔵の近辺で流通するため県外不出とまで言われている。
『鶴の友』純米酒は、白い花のようなしっとりした甘さと炊いた白米のようなふくよかな香りを湛え、一方、味わうとその芳醇で素朴な米の旨味に加えキリッと柑橘のようなキレと後味の透明感。いのちの営みという自然界のプリミティブな表現に原料由来の風味を重ね、印象的な花の黄色からはフローラルな香りと酸味とキレをイメージし、また、空との境目すら超越して地表で営まれる生滅と、どこまでもその土地に根ざした蔵の在り方を、重ねました。
Ⅳ.
「黄金色の世界」×「陽 きくつか」純米酒
◇菊の司酒造「陽 きくつか」純米酒
夏の香りの春
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黄金の王の顕現を
その風に予感し
祝い 謳う 黄金色の世界
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1772年(安永元年)創業、岩手県最古の酒蔵。
『陽』は地元産の酒米「吟ぎんが」で醸した夏季限定酒。ライチのような爽やかな香りと、しっとりしつつもさらりと流れる心地良い甘み。